スピーチリレー進行中
スピーチリレー進行中
報告:D40 高橋 和也
よりよい進路指導のあり方を考えること。これは男子部教育にとっての課題の一つです。6年生が学校全体や男子部の運営のために力を注ぐ経験は、他では得がたい大きな成長の機会ですが、将来について考えることも彼ら一人一人にとっての大切な課題です。受験勉強をしていないことへの不安も抱いている彼らですが、男子部生活に自信を持ち、さらに学部で自分を磨いてほしいと思っています。
そのなかで昨年秋に草間祐輔君と話をする機会を得ました。男子部での様々な学びを活かしつつ、社会人として生き生きと誇りを持って働いているその様子には迫力があり、ぜひこれを男子部生に直接話をしてほしいとお願いしました。草間君は快く引き受けてくれ、周到な準備の下、インパクトのある話をしてくれました。更にその後、企画書まで用意して一年間の計画を立て、若い卒業生による後輩たちへのエールとも言うべきスピーチリレーを企画してくれました。
男子部生にとって、若い卒業生の生き生きとした社会人としての姿は、男子部生活を送る上でも、学部を出た後の自分の姿を思い描く上でも大きな刺激、また励みとなっています。翌週の習字にも幾人もの生徒が「発信」「仕掛ける」というメッセージを書いてきました。特に6年生にとっては、学部4年間をどのように過ごしたらよいかを考える上でよい参考になったようです。
「これは卒業生の心意気」といって熱心に関わってくれている草間君を始め、ご協力くださり支えてくださる卒業生の皆様にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。以下、スピーチの概要を紹介します。
第1回 草間祐輔 (54回生 日本経済新聞社勤務) 1月19日
新聞社の広告の仕事のなかで「人と人の繋がり」をさまざまな形で広げてきたが、そこではサッカー、ブラスバンド、テニス、登山など男子部でしてきたことが生かされた。生徒には今の生活で打ち込むものを持ってほしい。また、会社には有名大学の同僚もいるが男子部でどの教科も80点を取っていれば社会でも十分通用すると痛感している。考えてほしいのは「発信」。仕事でも遊びでも自ら新しいことを打ち出して周囲を巻き込んでいく人間はイキイキしている。周囲にプラスの影響を与える「発信力」は男子部で鍛え上げられるはずのものだ。生徒が動くことで学園そのものの発信力にも繋げてほしい。
第2回 野田雄輔 (49回生 テレビ東京勤務) 3月8日
報道局の記者から今は「ガイアの夜明け」のチーフプロデューサーをしている。現在はストレートに問題をぶつけて世間に投げかけるスタイルで番組を作っている。男子部時代から「学園の外も意識して一流のものを持てること」を考えていた。学部では日米学生会議で活動してきた。声を挙げて前に出るという挑戦が男子部ではできると思うし、強い意思で周りを説得させ結果を出すことにこだわってきた。ポイントは「仕掛ける」ということ。男子部での経験は現在の仕事にも役立っているし、みんなには学園のハンディをバネにしてパワーアップする気持ちをもってほしい。
第3回 深川敦司 (55回生 一級建築士) 5月10日
現在は一級建築士として充実した日々を送っているが、苦労もあった。学部1年生では勉強とサッカーに加えて夜間の専門学校で建築を学び、さらにアルバイトをする日々であった。今思うのは男子部でしっかり基礎学力を積み上げておくべきだったという後悔。F.R.ライトのアメリカの学校への留学、大学院への進学などもっと幅を広げられたはずであった。ただ、学園で打ち込んだサッカーは今でも宝物である。また、建築で職人さんを動かす時に、まずこちらが掃除をして「姿で見せる」というツボは男子部で学んだものであった。男子部生には地道な努力も忘れず、男子部らしく学んでほしい。