自由学園卒業生 東北在住者の会 報告
自由学園卒業生 東北在住者の会 報告
梅雨明け間近の薄曇りの空の下、「自由学園卒業生 東北在住者の会」が山形県の日本海に面した米どころ、酒田市近郊で7月11日(土)~12日(日)に開かれました。 今回も昨年同様、南沢から矢野学園長をお迎えして、11日夕方からの交流会に始まり、酒田市内での卒業生会まで2日間にわたって東北在住の女子部卒業生、男子部同学会員が集いました。 参加者は全部で27名、そのうち同学会員は本部委員会からの参加者含め9名でした。
一日目の交流会は、女子部20回生で地元にお住まいの佐藤フサさんの幼稚園の教え子のつてで湯の田温泉で行われ、ほぼ参加者全員が前日からの参加となり、広い東北各地にちらばって家庭で、社会で活躍されている卒業生の消息を交換し合いました。 交流会の場では今回初めて地方同学会の会に参加された新田目 健さん(D11)から、新田目さんが男子部入学当時に「学校をやめたい」とミスタ羽仁に言いに行ったところ、それについてはなにも言わず「東天寮の廊下を一生懸命掃除しているか?」と問われ、とても恥ずかしい気持ちになって翌日から一生懸命廊下の掃除をしているうちにやめたいという気持ちがなくなっていることに気がついた、というエピソードをお聞きし、創立者の洞察力と、暖かくも厳しい懐の深さが改めてとても印象に残りました。
また翌朝も朝食前に新田目 健さんの司会により海辺で有志が参加して礼拝が行われ、前日から引き続いて、創立者の薫陶を受けた方のお話に耳を傾けました。
翌日は酒田市内の会場に場所を移し、矢野学園長から自由学園の近況報告が行われ、新入生の状況や今年度の施策の報告、最高学部の状況についての説明をしていただきました。 財政的には課題も多い中ではあるが男女共学になった最高学部で多彩な学びをしており、一部の成果は学会等でも高く評価されていることを知りました。 また今年自由学園から発刊された「食の学び一貫教育」冊子の紹介があり、男子部、学部生も那須農場や産業での養豚、養蜂などの農業生産から後処理までの食の循環に参画している具体的な様子を写真入でコンパクトにまとめた内容が紹介されました。
また同学会からは新井副委員長が、今年度の同学会の体制やスローガンなどの報告がありました。
東北の会は東北卒業生会に東北同学会が合流して数年前から合同でおこなっているそうで、世代を超えて自由学園につながる者として参加者人数的には勝っている女子部卒業生会のパワーに圧倒されながらも印象深い年一回の交流の時間をもたせていただきました。
海辺に立つ湯の田温泉の旅館からは残念ながら感動的といわれていた日本海に沈む夕日は見られませんでしたが、佐藤フサさんが経営する幼稚園を2日目に見学したときに幼稚園の体育館で佐藤さんのリクエストで「掲げよ旗を」を、新田目さんのリクエストで「また会う日まで(賛美歌405番)」を皆で歌うなど、自由学園卒業生の一体感を感じる印象深い2日間でした。
(D39 佐々木記)