2010年男子部ホームカミングデー
2010年男子部ホームカミングデー
雨にも負けず 母校に響く「おかえりなさい」
10月30日(土)。冬を近くに感じる季節となったにも関わらず、台風14号による大雨であった。気温も低く、あいにくの悪条件ではあったが、今年も男子部でホームカミングデーが開催された。
卒業生を迎える手作りの看板
今年の招待クラスは男子部卒業50年を迎える19回生、学部卒業25年を迎える41回生の2クラスであった。19回生は16名、41回生からは22名の卒業生が出席した。
19回生
41回生
10時半にはまだ雨の降る中、男子部生徒とともに芝生を囲んで本鈴。「今日の目標は『雨にも負けず』です」と当番クラスの日番が叫ぶと、その言葉通り、雨にも負けぬ勢いの「おかえりなさい!」という声で卒業生が迎え入れられた。そして響き渡る板木の音。在校生と一体となって発せられた卒業生の「オー!」という掛け声もやはり雨にも負けない、勇ましい声であった。
雨中ながら、元気いっぱいの本鈴
羽仁吉一先生記念ホールに場所を移し、男子部委員長の橋本光永君(71)による礼拝が行われた。讃美歌510番を歌い、マタイによる福音書18章21節~35節を交読した。礼拝の中で橋本委員長は、「真の男子部生、かっこいい男子部とはどういう姿か」と、理想の姿について女子部の生徒から聞いた意見も交えて語った。
男子部委員長による礼拝
礼拝後には各クラスの日番が感想を述べるが、卒業生の「日番」として、19回生の本橋成一さん、41回生の池谷信保さんがそれぞれ思いの丈を述べられた。時折深く頷いたり、熱心にメモをとる生徒の姿が見受けられたことも今の男子部を象徴していたように思う。
日番の感想を話す、19回生の本橋成一さん、41回生の池谷信保さん
その後、41回生の北野幸正さん、平方眞さん、19回生の見市元さんが、それぞれスライドを交えたスピーチをした。
北野さんは米国での生活や公認会計士としての仕事について話され、「グローバルな人間」とはどのような人間であるか、ということについて国際的な視点で語った。平方さんは緩和ケアの現場における人との関わり方について、実際の症例を挙げて話した。見市さんはご自身が自由学園に在籍していたときの先生方のお話や自由学園という存在の特異性について触れ、「生徒諸君には自由学園の伝統と教育の目的をよく知り、その上で大いに勉強してもらいたい」と激励の言葉を述べた。
41回生の北野幸正さん、平方眞さん
19回生の見市元さん
スピーチの後はひとりずつ自己紹介をし、生徒と同じテーブルについての昼食となった。この日のメニューは牛丼。昔はこんなメニューはなかったと目を細めつつ、「この年でこの分量はきついなぁ…」と笑いながらもその美味しさに箸も進み、懐かしさとともにめいめいのお腹を満たしたひとときとなった。
昼食の報告を聞きながら、昔と比べて変化したところ、変わっていない点を確かめ、時には笑いも起こる、そんな和やかな空間に、ふと、自分も男子部在校生の一員と錯覚した方もあったのではないだろうか。
報告の後、19回生の中山瑞さんによるお話があった。中山さんはカタール、ナイジェリアといった諸外国で仕事をした経験について語り、その中で「言葉よりも何を考え、伝えるか」が重要だと話し、その伝達手段としての英語をいかに勉強するのがよいか、生徒たちにアドバイスを送った。
19回生中山瑞さん
雨がまだ降っていたため、記念ホールの中で記念撮影をし、希望者のみ学園内の散策に出かけ、改修された図書館の見学等を行った。
午後二時四十五分、再び記念ホールに集い、男子部の教職員とともにお茶の会が開かれた。まず矢野恭弘学園長(26)の挨拶があり、続いて高橋和也男子部長(40)から、男子部教師の紹介がなされた。
矢野学園長
その後、19回生の矢部泰弘さん、柏木正之さん、41回生の熊取義純さん、森田正人さんが近況報告とともに短いスピーチをした。さらに41回生が入学したときに着任された「自称41回生」の辻村透先生と、近藤正美女子部長からもお話があった。お話をされたどなたもが、当時の懐かしい思い出も色鮮やかに思い出され、またその思い出の深さに思わず涙ぐむ場面も見られた。
最後に佐藤祐一同学会委員長(40)より閉会の挨拶があり、全員で男子部讃歌を歌い、4時ごろに散会となった。
あいにくの天候ではあったが、出席した方々は皆、雨にも負けない熱い気持ちと強い絆を確認しあい、その喜びにあふれた顔がとても印象的な会であった。
(広報室 中林 智(60))