東北在住者の会 報告
10月23日、いわき市内のホテルにて、ご家族や同学会19名と合わせて38名が出席しました。東北在住者だけでなく、東北にゆかりのある方、矢野淳子先生、卒業生会委員長3人をはじめ、思いを寄せてくださる方が関東からも来てくださり、温かい集まりになりました。
3月11日の震災以来、破壊しつくされた現場を前になすべきことで、頭も心も体もいっぱいとなり、一時は中止も考えました。6月、顔を合わせて話すことで生まれる力を信じて、内容は震災後の報告を中心に、夏の集まりを秋に延期して開催することを決めました。
いわきで被災された男子部11回生の新田目さんの礼拝、讃美歌380番「立てよいざ立て」に始まりました。市岡理事長、小田泰夫先生から学園の支援活動や90周年を迎えた学園のようすについて、女子部46回生武田さんは、青森友の会支援リーダーとして度々盛岡に駆けつけての支援の様子を、女子部55回生の小山さんは宮城での、三団体(自由学園・友の会・婦人之友社)の協力による支援活動を、スライドを使って報告してくださいました。また、男子部18回生本橋さんには、「原発について」のお話をお願いしていましたが、「生きていく命」のお話だったと感じています。
お子さんたちに故郷を残せなかったことの後悔、幼い頃から親しんできた閖上(ゆりあげ)の浜が一変した喪失感、泥上げ作業で出会ったかつての教え子の成長、近所の仮設住宅を一人でお訪ねする人、セシウムが出て地元のきのこ加工場は閉鎖、それでもそこで生活していく生命、自営の医院で被災した病院の患者さんも受け入れての奮闘など、時間内では語りつくせませんでした。
閉会後、初参加のお一人が「卒業して三十年以上たってしまったけれど、母に手紙を書こうと思う。自由学園に送り出してくれて、ありがとうって」と。会を開催できてよかったと思うとともに、集ってくださった皆様のおかげと感謝の気持ちでいっぱいです。
(55回生 島津)