那須農場での労働支援実施と本部委員会開催の報告
那須農場での労働支援実施と本部委員会開催の報告
9月8日(土)~9日(日)の週末に37名の同学会有志が那須農場で労働のボランティア活動をしました。昨年の震災以来取り組んでいる農場支援の一環で、今回は農場入り口までの幹線道路脇の草刈り・剪定や「勇気米」水田の手入れ、牧草地のセシウム吸着防止実験などを実施。また初の試みとして、本部委員会を那須で開催し、終了後は農場職員や家族の方々と恒例のバーベキューを行い、親睦の機会をもちました。
放射線量上昇の影響で学校が那須農場での学生の活動を中止して1年半が経ち、那須農場では少人数での厳しい運営を強いられています。同学会では昨秋の勇気米稲刈りをきっかけに、岩佐委員長(42)や松原正震災復興支援室長(42)、松原剛イベント担当副委員長(43)らの働きかけで今春の田植えや除草、農場施設の掃除・手入れなど複数回にわたって農場での支援活動を続けてきました。今回は9月度の本部委員会を農場で開催するという大胆なアイデアを実行し、まとまった労働力を確保しました。
参加したのは、山川さん(17)、國村さん(22)ら継続委員も含め本部委員が30人、それ以外の7名を合わせると計37人。8日朝に学園のマイクロバスのほか、各自の乗用車などを相乗りし午前11時までに那須農場入りしましたが、会社を早退して前日入りした猛者も。皆が集合したところで農場職員の幼方さん(30)、真野さん(57)から近況説明を受け、職員や家族の皆さんと一緒に昼食をとってから食堂内で本部委員会を午後4時過ぎまで開催しました。本部委には小田泰夫支援活動センター長(13)も出席され、支援活動や線量測定などについて報告していただきました。本部委員以外の参加者は農場内の手入れなどの労働を担当。職員の方々や奥様・お子さんも加わった夕方からのバーベキューでは野外でのイベントに皆の会話も弾み、賑やかな笑い声とともに夜が更けていきました。
本部委員会の様子
那須農場職員・ご家族との懇親会
9日は朝食後、5グループに分かれて約4時間の労働をこなしました。今回の目玉は「ホタテパワー」散布による放射性セシウム吸着防止実験。ホタテの貝殻を焼成カルシウム加工した石灰の希釈液を土壌に散布してセシウムを吸着させ、牧草などの線量を下げるのが目的です。木の伐採や建物の洗浄、表土の剥離などさまざまな除染作業を取り入れてきましたが、広大な牧草地を安全に利用するための新たな試みとなります。厳しい残暑にも負けず、皆自分の持ち場で集中して身体を動かした後は再び食堂に集まり、農場長の山口さんらも加わって和やかな昼食の時間。山口さんはじめ頑張っている職員の皆さんを少しでも勇気づけたいという気持ちが参加者たちの原動力だと実感しました。食事後その場で解散し、各々帰途につきました。
労働(食堂前の樹木の剪定)の様子
大芝生から移植した芝生での集合写真
今回の労働支援も怪我や事故なく無事に終了できたことに感謝します。さまざまな施策は実行しているものの、農場内の線量低下は容易ではなく、学生派遣再開のめどが立っていないのは事実です。9月下旬、10月下旬にも予定されている今後の活動により多くの会員に参加していただき支援の輪を広げるとともに、自ら手を動かし汗を流す体験の中で同学会として中長期的にどのような支援を継続できるのか、新たな知恵を絞っていきたいと願っています。