大学専任講師(2012年11月24日)
卒業後、大学で生物学を学び、大学院に進んでからは土の中の動物の働きの研究をするようになりました。現在は、大学の専任講師として、学生の教育と、土壌動物の生態の研究を行っています。
大学教員の主な仕事は大きく分けると2つあります。1つは教育です。私は生物学や生態学などの講義や実習を担当しています。学生とともに里山や森林で実際の自然の様子を観察する体験型の授業も行って、少しでも実体験を伴った学びができるように工夫しています。もう1つは研究です。一般的によく知られている土壌動物はミミズやダンゴムシですが、私の研究の専門はヤスデという虫です。この虫には、数年に一度、大発生する種がおり、こうした生物の活動が森林の土壌や樹木にどのような影響を与えるか、つまり生態系の分解者として物質の循環にどのような役割を果たしているか、ということを研究しています。土の中の世界は、植物やそれを食べる動物の活動を支える大きな役割があります。しかし、まだわかっていない事象ばかりで不思議なことがたくさんあります。目に見えない土の中を実験等によってじっくりと観察した結果、新しいことがわかるのが研究の楽しさです。
ひとつのことを深く追及していく研究において、学園での生活とそこからの学びはどれも無駄になっていないと感じています。(70回生・橋本)
写真説明;「土の中の虫を採集するための道具です。左から、ふるい・軍手・吸虫管(きゅうちゅうかん)・剪定はさみ・スコップ。上の方にあるのが、折れ尺・ピンセット」