2013年7月度那須農場復興支援のご報告

2013年7月度那須農場復興支援のご報告

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同学会本部委員会の開催に合わせ、復興支援として“約30年振り”に那須農場に向かった。 7/20(土)朝8時、学園に集合すると既にメンバーは全員集合しており私を待つばかり。マイクロバス便に乗り込むが早いか即出発となった。同上するメンバーの中には本部委員の他「田中(通称”電タナ”)さん(9)」等、懐かしい顔が!
高速に入り地図を広げて那須農場の場所を確かめる頃から、徐々に学生時代の農場の思い出を叩いてみるがなかなか古くなった記憶が蘇らない。3時間弱でバスは農道から砂利道に入り、やがて草を食む牛ののどかな景色が現れるやすぐに農場の建物に到着。記憶を辿るものの今一つピンとこない。左手宿舎には後で聞いた「晴耕寮」「雨読寮」がまだ真新しい。サッカーの合宿で扇風機もない真夏の夜、団扇を仰ぎながら寝れない雑然とした宿舎とは大違いだ。本部委員会の打ち合わせでは、那須農のトラクター再生プラン等を討議し終え早速労働開始。

まずは『池(仮称:プール)掃除』を始める。この時になって始めて記憶の電気が頭を走る。
ここで泳いだぞ! しかし目の前の池は水も枯れヘドロ化してる。早速ホウキとデッキブラシでこすり始めると全員が坊主頭の学生時代より真面目に掃除している。ブラシの間を縫って無数に飛び跳ねる蛙を救う「フィッシュ中村君」(中村隆君43)が笑いを誘ってくれる。
2時間近くは働いただろうか、日照りの中、汗と水でびっしょりだ。見違えるようにきれいになった池底を眺めて心地よい気分だ。

夕方には各々労働から戻ってきた皆さんが広場に集まり、昔では想像もできない即席のバーベキュー会場が出来上がる。同学会員25名、学園関係者7名の合計32名が今回の那須労働に集まった。会場となった広場横には、桑田君(51)が製作したという立派な窯があり、今日はこのために7?8時間かけ炭を燃やし続け、後は残った熱でピザを焼く。ここは「マエストロ桑田君」の腕の見せ所、とろけたチーズがしっかり絡み絶妙な旨さでした。

さて、翌日は4:30過ぎには起床、いよいよ本格的な労働に出発。今日の労働は『桜支柱立て&周辺草刈り』だ。前夜の宴で寝ぼけ気味の頭で車に乗り込み、いざ出陣。農道を暫く行った所で車を降り、いよいよ労働開始。昨年に植え付けたという桜60本の周辺の草刈りと支柱を立てる作業だ。しかし見渡すと既に夏の雑草が背丈まで生い茂っており、桜がどこにあるのか見分けることが難しい。下手に草刈り機を使うと雑草ともども桜を刈り取ってしまうことになる。そこで大きな手鋏を使って桜の周辺20?30cmを刈り上げる作業を主に担当した。前屈みでひたすら雑草の中を進むこと1時間半、膝の辺りから虫に刺されるは滞留した空気の中の作業で、やがて汗がしずくになり想像以上にきつい。宿舎に戻った時は、まだ7時前なのにぐったりだ。

朝食には「高橋望君(43)」からの差し入れの「プラム?」が、体の疲れを癒してくれた。
学生以来の食当(後片付け)にも見事じゃんけんで担当。食器洗いをしている時になって、改めて食事当番として我々の胃袋を支えてくれた女子部卒の「鈴木加菜さん」「小松原育子さん」「高田和代さん」等の支援にも感謝する。

さて8時過ぎからお昼まで、気合いを入れて労働再開。今日の主な労働は、以下の通り。
・絆ベンチつくり
・サイロ屋根修繕
・羽仁邸掃除
・球根植付
・芝生草刈り
・桜支柱立て&周辺草刈り

絆ベンチは、松原委員長の掛け声の下、学生と同学会有志で制作して丸太ベンチの座面と脚部を取り付け、火で炙って擦り上げる作業だ。2日間で立派に仕上がりました。
またサイロ屋根修理は、高所恐怖症の「元井君(44)」の下、これまた30年振りの「富田君(44)」の活躍で修繕完了。
球根植付は、主に女性陣等の手でしっかり植え付けられ、最後にしっかり水まきをした上で周りの雑草止めのために「柏原君(50)」が小型火炎放射効機で暑い中をフィニッシュする。ところで羽仁邸の掃除とは何だろう?羽仁邸の存在すら知らなかった私は思わず邸内を拝見しに。既に「山川さん(17)」と「國村さん(22)」のお二人で、邸内と外の草刈りをされており、風通しされた邸内は埃の一つもない状態でした。山川さんから羽仁両先生ご存命中、この邸に宿泊されていたことを伺い、初めてそのことを知りました。居間にはS15?6年頃の那須開拓時の写真なども飾られており、その当時のご苦労は我々の想像もできないものであったろうと感じ、しばし考えにふけりました。
一通り持ち場の草刈りを終え、一日かがりで水のたまった池プールに思い切り飛び込んだ。
学生時代に気分は戻り、疲れも忘れて冷たい水に浸かる。

本当に気持ちの良い労働支援が出来たこと、日々大変な労働をされている農場の方々ですが、月一回の労働支援を温かく迎えて下さる笑顔、たった2日間でしたが素敵な時間でした。ここで流す汗が自由学園の源流を思い出させてくれるのではないかと感じることが出来ました。本部委員会(広報担当)として、一人でも多くの同学会員、卒業生会員、学園関係者の方々が、参加頂けるよう協力していきたいです。

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男子部43回生 森木 郁夫

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