2013年度 卒業生大会の報告
薄曇りの10月19日(土)、卒業生大会が開かれ、遠方はニュージャージー、ロサンゼルス、沖縄、北海道から、総勢374人が南沢に集まりました。
今年は女子部の生徒とのつながりを大切にしたいと考え、大会前日には戦時中に亡くなられた女子部の生徒を追悼する記念碑(図書館横)の掃除を卒業生と生徒で行い、大会当日の午前中は、例年同様、節目のクラス(41回生・女子部食堂、71回生・学部食堂)が昼食に招かれたほか、寮長の案内による清風寮の見学会が行われました。また、高等科3年生は、時間割の都合で途中からとなりましたが、全員が大会に参加しました。
大会は午後1時15分より記念講堂で、59回生委員長栗栖さんによる礼拝は讃美歌27番、ヨハネによる福音書1章1~5節、8章12節。神様によって学園が92年もの間、護られたこと、この大会に多くの友が集うことへの感謝、そして自由学園に連なる者として今後もよき歩みができるようにとのお祈りがありました。
矢野学園長からは「おかえりなさい」の言葉をかけていただき、90周年募金への感謝のほか、校内の整備や、「しののめ寮」の活用、人材育成基金について、そして共学になり14年が経つ学部では国際学会での発表等、勉学面でも力を発揮しているとの近況報告がありました。
今回、市岡理事長はご欠席のため、お手紙を委員長が代読。ミスタ羽仁がミセス羽仁を表した「ゆくところを知らずしていでゆけり」(ヘブライ人への手紙・第11章)の精神をもって、学園では現在いろいろなチャレンジをしている。卒業生会は、学園を支えるメインプレイヤーであり、期待していると記されていました。
節目を迎えた各クラスの報告では、8名で出席の21回生に大きな拍手がわき、午前中、バリアフリーの学部棟でクラス会を開いた御礼と共に、70年たっても未だに心に刻まれている「全てのことをするのに心の準備をしなさい」というミセス羽仁の言葉、両親をはじめ、学園で育てていただいたことへの感謝を述べられました。
続いて81回生は、学園での人との関わりから“人の個性や性格がどのように形成されるか”に関心を抱き、現在の保育士の仕事に就いたというエピソードを披露。
71回生は、この20年間の学園の建物や道、学園周辺の景色に変化はあっても学園の教育の根本は変わらない、0~6歳の子どもに携わる仕事では「よく見る、よく聞く、よくする」の大切さを実感していると話されました。
61回生は、学園関係の仕事に就いている人、子どもが学園に在学している人も多く、子育てと仕事の狭間で悩んでいる時、知人から紹介されたのは偶然にもミセス羽仁の文章で、久しぶりで新鮮な感動を受けたと述べられました。
51回生は、卒業40年。還暦を迎え、子育て、仕事、介護の3つについて、クラスの方々のエピソードとして話をされました。
41回生は、卒業した全員が結婚し、子どもがいるクラス。卒業後の人生には色々なことがあったが、現在自分が幸せだと思えるのは学園で学んだことが影響している、とユーモアを交えて話されました。
ちょうど終戦の年に入学した31回生は、戦時中の学園生活、羽仁先生係として過ごされた経験から、当時の生徒たちとの対話や関係性、間近で触れた羽仁両先生の絆や暮らしぶり、生き方までも垣間見えるようなお話でした。
次に図書館よりお借りした、羽仁両先生の写真をスライドで上映。21、31回生のお話と重ね合わせながら見ることができました。
その後、今の女子部の生活を女子部の委員長(高等科3年)がスライドで紹介し、最後に「自由をめざして」を歌い、大会を終えました。予定していた終了時間を超過したものの、その後のお茶の会やミニセールでは久しぶりに会った友との会話も弾み、和やかな時間となりました。
詳しくは12月発行の会報をご覧ください。(69回生 副委員長)