10月17日 卒業生大会 報告(1)

10月17日(土)、降り続いた雨も午後にはやみ、懐かしい学園への道を笑顔で歩いてこられる卒業生の姿をお迎えでき、ほっと一安心いたしました。海外、北海道や九州の各地から370人もの卒業生が南沢に集まり、あたたかい雰囲気の中大会が始まりました。

午前中は学園内の見学をされる方は少なかったのですが、早めにいらっしゃった方は静かな学園の風景を感じられていたようです。23回生の方々は戦争で亡くなられた同級生の慰霊碑に集まり、静かなひと時を過ごされました。お昼は43回生が女子部食堂に、73回生が学部食堂に招かれ、懐かしく楽しいひとときを過ごさせていただきました。

大会は委員長矢崎さんによる礼拝から始まりました。讃美歌288番 聖書マタイによる福音書第13章18~23節、そして雑司が谷短信下巻「老いは尊し」より朗読、ご自分の思いを静かに語ってくださいました。学園長、理事長からは国際交流が盛んになった最近の学園の様子など近況をお話していただきました。今年の節目のクラスからは「卒業後の歩みの中で社会に伝えてきたこと、これから伝えていきたいこと」をテーマに、また近況など自由にお話をしていただきました。

13回生
卒業80年、現在7名の方がいらっしゃいます。参加者はありませんでしたが、「母は元気でおります」というお便りをご家族から頂きましたのでご紹介いたしました。

23回生
「終戦の年に卒業し、様々な体験や思い出を胸に社会で仕事をしてきて、今は戦争を知らない人に自分の体験を伝える使命がある」、と力強いお話をして下さいました。在学中、戦争によりクラスの友人とゆっくり話す時間がなく、卒業後に絆が深まっていったというお話も印象的でした。

33回生
羽仁両先生に卒業式をしていただいた最後のクラスで、羽仁両先生から教えられた様々な思い出を話されました。ミセス羽仁から教えられた「正直」という言葉、ミスタ羽仁に教えていただいた、「学芸の道は長く、人生は短かし」という言葉を日々かみしめて生活しております・・とお話されました。クラスの方が書いた絵なども見せていただきました。

43回生
スイス在住で、ご自分が立ち上げた「スイス日本語教師の会」について、長年にわたる苦労や功績、外国の方に日本のことを理解してもらうことに力を尽くしてこられた、これまでの歩みをお話していただきました。

53回生
56人中、地方の方を含め32名もの方が大会にご出席されました。仕事に勤しむ人、介護を担う人、自らの病と闘う人などそれぞれの立場でがんばっているとお話されました。

63回生
恵子先生に教えられたことを心の糧に社会で活躍し、現在は子育て・介護・仕事とそれぞれ忙しい毎日ですが、学園での学びを忘れず歩んで行きたい、とお話されました。

73回生
数々の経験を通して現在のお仕事に出会い、良いことは必ずできる、と日々励んでいらっしゃること、十代の多感な時期に自由学園で学べたことがどれだけ貴重なことだったか、体験を交えてお話して下さいました。

83回生
学園で生活していた時に大事にしていたことが、現在子育てをしている中でやはり大切なものと通じることが多く、学園の学びの実践段階、そして学び続けることの大切さを感じている、とお話されました。

その後、各地の様子をスライドとお便りでお伝えし、協力会からの報告、最後に「自由をめざして」を皆で歌い閉会となりました。

大会後のお茶の会・ミニセールにも多くの方が集まり、それぞれ和やかに楽しいひとときを過ごされていました。今年も最後に「野の花の姿」を歌いました。準備をすすめた委員会、節目のクラスの方、協力してくださった各方面の関係者、そして大会に参加してくださったすべての方の気持ちが一つになり、あたたかな大会となりました。皆様に感謝いたします。詳しい内容は次回会報183号をご覧ください。(委員長 太田)

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