2016年8月度那須農場復興支援労働報告

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<8月の労働内容>
8月の労働は台風の影響が心配される中、8月20・21日に行われました。
学園出発のマイクロバスが高速道路を那須に向かう途中、前が見えなくなるほどの土砂降りの雨が降り、作業の影響が心配されましたが、インターを下りたあたりから雨は止み、予定していた作業を無事終わらせることが出来ました。
暑い作業の後は先月掃除した池で泳いだり、楽しい事もありました。

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作業開始時の自己紹介と作業振り分け

主な労働内容は以下のとおりです。

◆8月20日(土)・21日(日)
①サイロビニール外し&清掃
②紫陽花植え
③トラックアオリ取り付け
④各所草刈り
⑤梅林伐根
⑥牛舎作業補助

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サイロビニール外し&清掃

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サイロのビニールを外し、底のゴミを清掃

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紫陽花植え:農場美化計画の一部で紫陽花を植えました。ついでにブルーベリーも摘みました。

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トラックアオリ取り付け:これから始まるデントコーンの収穫に備え、トラックにアオリを取り付けました。

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梅林抜根:食堂前の梅林を伐採・抜根作業を行いました。

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牛舎作業:通常作業の他に通路の清掃、パイプラインの清掃を行いました。

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食当も大活躍。今回も美味しい食事、ありがとうございました。

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池(プール)で泳ぐ子供たち。今回は指導員の方もいて安心でした。

那須農場復興支援室 濱田宏太郎

<参加者の感想>
男子部教師の髙田先生と清水大君(D45)に感想を頂きました。

同学会の那須農場労働支援に参加して

男子部教師・女子部父母 髙田 貴

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右が髙田先生

8月20日、21日の1泊2日、家族3人で参加いたしました。農場には、生徒の引率では何度も来ましたが、労働支援の参加者として来るのは2回目でした。娘と妻は、何年も前からお世話になっていて、今回も学校の教員というよりは、現在女子部中等科2年の娘の父親、という立場で参加しました。

マイクロバスで農場に着くと、広い畑一面に、餌になるトウモロコシがぐいぐい伸びていました。労働では、そのトウモロコシの刈り入れの準備として、古いサイロのビニールの片付けや空のサイロ掃除をしました。

空のサイロの底はかなり深く、登山のことを思い出しながら、はしごで降りました。掃除していると、かえるや蛇もいました。他にも、ブルーベリー畑の草刈り、牛舎の掃除、餌やり、生まれたばかりの子牛の世話などを経験しました。

農場員の山口さんは、いろいろ丁寧に教えてくださいました。餌ひとつにしても、あげる量や種類に色んなことがあること、餌の作業と糞尿に関する作業では、長靴の消毒をこまめにしていること、牛を放牧するときの歩き方を見ながら、それぞれの牛の状態を把握していることなどなど。

原発事故以降、生徒の農場体験としての活用がなくなって、本当に少ない人数の農場の方々が一生懸命、知恵と力と時間を惜しみなく使って、農場を守ってくださっていることをひしひしと感じ、また、広い農場の空を見て、放射能はどこにも見えないのに、生徒が自分で何でもできるフィールドとして使えないもどかしさも改めて思いました。

娘と小学校の時からの友達の中2の2人も、皆様に暖かく受け止めていただき、牛舎の掃除、餌やり、子牛の世話など、とても貴重な体験をさせていただきました。

同学会の人たちは本当に気持ちのよい人ばかりで、中高生の頃の武勇伝を聞くと、この人たちの担任を引き受けるには勇気のいる話もありましたが、卒業後何十年も経って、手弁当で楽しく働くことができる卒業生の方々の実行力と学園への愛情を目の当たりにした2日間でした。

9回目(多分)の那須農場

清水 大(D45)

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こうなるとは思っていなかった。昨年5月の田植えイベントに参加して以降、那須農場を訪れるのは今回で9回目。昨年の5月からこの8月までの16ヶ月で9回。月数ベースでは56.25%。高率である。

自分はこんなに学園・農場想いだったか? そんなつもりは毛頭無いのだが。きっかけは昨年、同学会本部委員のイベント担当として那須農場でのキャンプ開催の担当となったこと。キャンプ開催まではその準備のため、キャンプ後は、キャンプに参加した娘が那須農場に行きたがる様になった事や、今年もキャンプ開催の手伝いをしている事から、週末の都合が合えば参加している。今回も娘と2人で参加。

今回は1日目に、農場作業の直接の手伝いではなく、他の参加者とは別に、10月の那須農場キャンプ内のイベントとして計画中の芋掘りの準備として、5月に植えたサツマイモの手入れと、ジャガイモの苗の植付けを行った。当初、キャンプ開催は昨年同様9月を想定しており、その前提でサツマイモの準備をしていたが、最終的にキャンプ開催が10月となったことからサツマイモの収穫には遅いため、ジャガイモの準備を始めたもの。

2日目は、伐採した梅の木の運び出しと牛舎掃除に従事。梅と牛舎はともかく、イモ関連の作業がきつい。天気が曇りがちなのがせめてもの救いだったが、ジャガイモ植付けのための雑草刈り、畝作り、マルチ張り、苗の植付けは思った以上の重労働。畝作りのため土をショベルカーで掘返してもらったが(中村さん、ありがとうございました)、手作業では到底終えられなかったろう。荒地開墾の困難さを垣間見た。

一方、娘を含めた子供たちは、7月の掃除で「かろうじてプールとして入って遊べる」状態になった池で大はしゃぎ。掃除が1ヶ月前だったことから、「恵まれた環境のおかげ」もあって藻が浮いており、最初娘は「気持ち悪い、入りたくない」と躊躇していたが、ちょっと入ってしまえば藻も蛙も関係なく、3時間以上飛び込んだり潜ったりして満喫していた。その間、柏原さん(D50)の奥様が子供たちの安全のため付いていて下さった(ありがとうございました)。

また散々池で遊んだので夜はすぐ寝るかと思いきや、花火やUNO、トランプと深夜まで大騒ぎ。那須の夜を満喫。

翌朝は5時から作業。就寝が24時を過ぎていた娘がどうするか見ものだったが、ちゃんと起きて集合。あっぱれと思ったのも束の間、前日に池で虫にでも刺されたのか耳が赤く腫れて痛痒く、通常であれば牛の餌やり・子牛の哺乳を中心に手伝うのだが、今回は使い物ならずにリタイヤ。

でも耳を腫らしながら再度池に入って遊んでいる様は逞しいと言うべきか、都合がよいと言うべきか。まあいいけど。

それにしても那須農場施設・設備の老朽化は著しい。建物の一部は比較的最近建てられたものと思われるが、明らかに使用に耐えない建物や、更新・整備・入替えの必要を感じる設備・機械類が多いように見えるのは気のせいか。

現在那須農場は、震災時の福島原発事故による放射能の影響で、学園にとって元々の位置付けであった「教育農場」としての活用が難しい状態にあることから、独立採算で農場として収益を上げる事を求められていると聞く。であるならば相応の投資が必要と思われるが、学園がどう考えているのか興味のあるところ。

那須農場での子供達の様子を見ていると、「教育農場」としての復活の可能性は充分に感じるが(筆達者でないので、具体的にどうこう書けませんが)、運営を前田農場長に丸投げしている現状では、このままジワジワと朽ち果てていくのでは、との危惧も抱かざるを得ない。

事が単純・簡単ではないことは想像に難くないが、将来の「教育農場」としての活用再開を目指した学園の前向き・積極的な対応を期待したい。私も会社勤めに疲れたら、気分転換と癒しと現実逃避を兼ねて農場に行き、ゆる~くサポートさせて頂く所存だ。9回も通っているのは、実はそれが目的だったりするのかも。

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