2016年ホームカミングデー
10月15日(土)。雲一つない秋晴れの中、今年も男子部でホームカミングデーが開催された。
今年の招待クラスは男子部卒業50年を迎える25回生、学部卒業25年を迎える47回生。25回生は15名、47回生からは6名の卒業生が出席した。
10時半、男子部生徒とともに芝生を囲んで本鈴。「今日の目標は『元気よく挨拶と温故知新』です」と当番クラスの日番が叫ぶと、その言葉通り、大きな声で「おかえりなさい!」という挨拶で卒業生が迎え入れられた。そして響き渡る板木の音。在校生と一体となって発せられた卒業生の「オー!」という掛け声も、秋晴れの中に清々しく響き渡った。
羽仁吉一先生記念ホールに場所を移し、男子部委員長の榎戸力君(77)による礼拝が行われた。讃美歌270番を歌い、ルカによる福音書15章11節~24節を交読した。礼拝の中で榎戸委員長は、放蕩息子のたとえを例に、「他人の過ちを許せる人になれたらいいと思う」という話しをされた。また自身のパイロットになりたいという夢を語り、「夢や目標を持っている人は自分の中に軸を持っていてカッコいいと思う」ということも述べて、男子部生徒への激励をしたが、卒業生も自分を振り返る感慨深い話であった。
礼拝後に各クラスの日番が感想を述べた後、25回生の篠原直さん、47回生の木立純一さんが、それぞれスライドを交えた講演をした。
篠原さんは博報堂に入社されて関わった「アジアハイウェイ計画」について話され、グローバルな活動で養われたバイタリティと、自由学園で養われたリーダーシップや頑健な身体が自分を支えてくれたことに感謝すると共に、「在校生が一人ひとり偉大なるオンリーワンとなって、JIYUの灯が絶えることがないように頑張って欲しい」と締めくくった。
木立さんは本田技研工業で車の開発企画やテストドライバーの育成に携われている様子を動画も交えて紹介され、学生時代からオートバイレースに取り組んだことが今の仕事につながったことを例に挙げて、「夢を持つことの大切さ」と「学園で学んでいることは将来確実に役に立つ」という話をしたところ、生徒からも活発な質問が飛んだ。
講演の後はひとりずつ自己紹介をし、生徒と同じテーブルについての昼食となった。美味しさに箸も進み、パンではなくてご飯が提供されている点など、昔と違っている点について生徒たちと楽しく歓談した。食事を作っていただいた父母の方の報告を聞きながら、学園生活はこうした父母にも支えられていたことを改めて噛み締めたひと時だった。
昼食の後にクラスごとに記念撮影をし、在校生の案内で学園内の散策に出かけ、それぞれが思い思いに昔を偲んだり、持参したカメラなどで写真撮影を行った。
午後2時30分、再び記念ホールに集い、男子部の教職員とともにお茶の会が開かれた。司会は辻村透先生(自称41回生)で進行し、男子部教師の先生方の自己紹介と続いた。昔の東天寮の映像が流され、木造の建物の時の映像には25回生が懐かしく感想を述べ、鉄筋の建物になった映像には47回生が反応していた。
その後、25回生の田岡永さん、林健さん、47回生の吉村景(旧姓:柴田)さんが近況報告とともに短いスピーチをした。
終了間際には女子部卒業生大会に臨席されていた高橋和也学園長(40)の挨拶があり、全員で男子部讃歌を歌い、4時ごろに散会となった。
それぞれ自由学園に対する思いは色々であるが、この日は全員が生徒に戻って、改めて自分が自由学園の生徒であったことに感謝した日であった。
広報室 浅野 友介(47)