2017年6月度那須農場復興支援労働報告
今年度第3回目の那須農場復興支援労働のボランティアを6月17日18日に行いました。
6月にもかかわらず梅雨の晴れ間に、同学会10人、卒業生会2人、在校生父母1人、卒業生家族2人、計15名の参加がありました。
6月の作業内容は下記の通りです。
①子牛牛舎の石灰塗布
②花植え、那須農場の美化運動
③牛舎内徹底掃除
④古くなった電牧線の撤去、草刈
今回写真が多いため、別途アルバムにまとめました。こちらも併せてご覧ください。
①子牛牛舎の石灰塗布
石灰粉を水で溶いた石灰を床や壁などに塗布する作業を行いました。
石灰は強アルカリ性で消毒性が高く、まだ免疫が低い子牛たちの環境をよくします。
いつもまじめで一生懸命な富田君(D44)/石灰を塗布する前にきれい掃除している森君(D49)
②花植え、那須農場の美化運動
今回は卒業生会の方、在学生の父母の方2名に加わっていただき、ポイントになるところの花壇に初夏を告げる花たちを植えていただきました。どちらも、とても美しかったです。
③牛舎内徹底掃除
餌やりをしたら、まずは牛たちを放牧。牛たちがのんびり草を食べている間に、徹底的な大掃除をしていただきました。本当にスッキリです。
④古くなった電牧線の撤去、草刈り
そして一番大変な草刈りを、みんなで一生懸命やっていただきました!
結構高い草のところを黙々と刈っている時高さん/プール開きの準備のため周りの草刈
夏のキャンプ場となるところを整備をしている村山君(D38)、柏原君(D50)と桑田君(D51)
今回のメインシェフは、ほぼ1年ぶり戻ってきていただきました佐々木さん(卒業生会)と宇野(D48)
夕食は懐かしのシェパーズパイ(今流行?)と、鶏マヨのパセリ入りパン粉焼き
夕食&宴会のはじまりです/誕生日は前田さん夫妻、桑田君(D51)
今回自らのご希望で参加いただいた在学生の父母高張さん、吉岡さん/お子さんも一生懸命料理作りに挑戦しました
満腹になった後は恒例の村山君の宴会芸。最高に楽しかった、製材所とウェートリフティング芸/こちらは東京オリンピックに出場した三宅選手のまね
日曜のランチは、佐々木シェフ&宇野助手で提供させていただい特製豚バラカレー。たくさんお酒と香辛料で煮込んだ、特製カレーでした。今回はコクがありましたね。
今回は、初参加の父母のお二人に感想を頂きました。
那須ボランティアに参加して
女子部97回生・100回生保護者 吉岡美保
今回初めて那須農場ボランティアに参加させていただきました。
97回生の娘が入学した年が、東日本大震災の年でした。その為に、娘達は1度も那須農場を訪れた事がないのですが、いつかいつか参加したいなぁと思いながら、7年目にしてやっと参加させていただきました。
私は卒業生でもなく、保護者としてもまだ日が浅い上に、どなたかと誘い合っての参加ではなく、単身でホームページに申込をいたしました。珍しいパターンだそうです(笑)そんなパターンの参加なので、少々不安もありましたが、自由学園卒の方々に囲まれる安心感もあっての参加でした。
やはり、私の心配は無用でした。大自然の中、噂通りの労働の楽しさ。牛ちゃん達の可愛い眼差し。美味しいお食事。労働の後の温泉。全てが幸せでした。そしてボランティア参加の皆さんの自然体の優しさとお心遣い。 改めて、自由学園で学ばれた皆さんの培っている物の大きさを感じさせていただいた2日間でした。
今後もまた参加させていただき、那須農場の大自然と、自由学園の学びを感じさせていただきたいと思っています。
お世話になった皆様、本当にありがとうございました。
労働支援に参加して
在校生保護者 高張郁子
6月17〜18日に初めて労働支援に参加させていただきました。
最初に労働支援と聞いた時には、自分にできることなど何もないと思っていました。毎日の忙しさに、どこか他人事だったような気がします。昨年、クラスの父母の集いに参加したことで、一気に那須が近くなりました。
東京で生まれ育ち、日頃PCに向き合う仕事をしている私にとって、同じ場所に集った仲間と体を動かして働くことはとても楽しく、自然の中に身をおくことで、心が癒されることを実感し、また行きたいと思うようになっていました。とは言え、卒業生ではない者が同学会の支援労働に参加して良いものかと躊躇しましたが、今まで参加した方々から何も心配いらないと聞き、思いきって今回の参加に至りました。
1日目は花壇の周りの草取りと花の植え替え、2日目は牛舎の掃除をしました。牛達も花も虫も雑草も、大地の恵みをいただいて、皆元気いっぱいです。花壇の周りにも腰の高さほどまで草が伸びていて、刈り取った草があっという間に山積みになります。
雑草が減ってくるとあちこちに石がゴロゴロしていることがわかりました。花壇の土はほくほくとしていて素人目に見ても栄養たっぷりです。古い根を掘り起こすと土の中からはたくさんの虫たちが出てきて、普段なら「キャーッ!」と逃げてしまうところですが「ちょっとおじゃまします」という気持ちで作業を続けました。彩りよく花壇が整って、水をまくと、お花も嬉しそうに見えました。
牛舎では、間近で見る牛はとても大きく、移動する時には走ったりもするので、おっかなびっくりです。最初は皆同じに見えましたが、我先にと餌を食べる牛、目の前の餌があるのに隣の餌を食べてしまう食いしん坊、のんびりマイペース、人懐っこく近づいてくる牛もいれば臆病で知らない人がいるだけで足がすくんでしまう牛、性格も模様もそれぞれ違うことがわかります。
日頃牛のお世話をしている農場の方は、全部見分けをしていて名前で呼んでいます。休みなく動いている農場の皆さんの様子に、遠く宮崎で畜産を営んでいるクラスの父母の姿が重なりました。
子牛の中から先に生まれて少し成長した牛を、もう少し広い場所に移動させるお手伝いもしました。始めはどの牛も人懐っこく近づいてきましたが、いざ外に出そうとすると、何かいつもと違う様子を察知して、出入り口から一歩も踏み出しません。皆で我が子のように声をかけましたが、最後は力づくになりました。
良かれと思っていても、思うようにならないのは子育てに通じるものがありました。一頭一頭手をかけ目をかけ、愛情をもってお世話すること、また過ごしやすい環境を整えることで美味しい牛乳ができることがわかりました。
労働の後の温泉はこの上なく嬉しい時間でしたが、その後に待っていたのは、本物の「自由学園の最高のお食事」でした。どれも本当に美味しいです。
そして、それぞれの持ち場の報告、その月のお誕生日のお祝い、共に働いた皆さんと囲む食卓はとても温かく楽しい時間で、学園出身でもなく寮生活の経験もない私も、学生に戻ったような気持ちになりました。当時の話を聞いていると、男子部の上級生と一緒にいるようで、我が家の息子たちの気持ちにほんの少し近づけたような気がしました。
ここで労働をしていると、「微力だけど無力ではない」という言葉を思い出します。誰も強要せずに、それぞれに出来ることをしている同学会の方々の姿に、出来ることは必ずあるということを実感しました。そして、大自然の中で生きているものの力強さに、たくさんパワーをいただいて帰りました。労働の合間に聞ける卒業生のお話もとても良かったです。
農場の皆さん、同学会の皆さん、大変お世話になりました。またお会いできることを楽しみにしています。
那須農場復興支援室より
今回も天候に恵まれ、怪我もなく、気持ちの良い2日間を過ごさせていただきました。
今回は貴重なリピーター14名、新規に在学生の父母の方1名という参加でした。中でも、在学生父母の吉岡さんは同学会のウェブサイトをみて応募してくださいました。このように卒業生以外に広まって行くのは本当に嬉しい気持ちになりました。
自分自身もこれに参加して、学園時代ではあまり話ができなかった先輩や、後輩の人たちと集まってまた気持ちよく汗を流し、食事をして、楽しく飲んで笑って話ができる最高の場所だと思います。
これからも、一生懸命働き、いっぱい笑顔が見れる場を作り続けて行きたいと思います。引き続き宜しくお願い致します。 ご協力ありがとうございました。
復興支援室 委員 宇野(D48)