明日館講堂耐震工事竣工感謝の会
「自由学園明日館講堂」の耐震工事竣工感謝の会が、9月2日(土)13:00より行われました。
明日館講堂(以下講堂と略す)は、昭和2年当時の学生たちが学んでいた明日館のホールが手狭となったため、新たな講堂建設の必要が議論された際に父母会の提案としてミスタ羽仁、ミセス羽仁にこれまでの感謝の気持ちをこめて、父母が中心になって寄付を集めて建設されたものです。
設計はフランク・ロイド・ライトの愛弟子・遠藤新が行い、ライトの教えを実践した建物や空間デザインは自由学園への思いが込められた施設となって、学園の生徒だけでなく、多くの人々に愛された施設となりました。
2001年に明日館本体の保存修理工事を終了し、国の重要指定文化財として生まれ変わり、「次は講堂の耐震工事を」との構想がありましたが、具体的には2011年3月の東日本大震災をきっかけにして2015年2月から耐震対策工事が始まり、2年6か月の時間を経て遂に完成しました。
感謝の会では、今回の工事に対して関係者をはじめ多くの方々に「感謝」が語られる機会となりました。
自由学園の村山理事長は「新たに生まれ変わった講堂がこれから多く方々に使っていただくことによって、自由学園を広めると社会への窓となるようにしてゆきたい」との想いを語りました。
明日館の有賀館長は、講堂が重要文化財としての工事のため国庫補助事業として国、東京都、豊島区、または関連団体の婦人之友社、全国友の会など各所からの補助金の交付があり、その上で無事に完成したこと、工事に関してはスタートしてから発生した課題を、設計監理の文化財建造物保存技術会の努力や大成建設の技術力によって無事に終えたこと、近隣住民の方々や隣接する全国友の会、婦人之友社の協力など完成へ至るまでの多くの感謝が語られました。
今回の工事で、講堂の外観は昭和2年の完成当時に限りなく近づけたとの事で、工事前よりも明るくクラシックな趣が増した感があります。
内部に関しても、工事関係者の方がお話されていた、「基本的な部分は決して変わることなく、新しく生まれ変わった講堂」をこれから同学会の行事でも使用する機会が増えると思います。
同学会会員の皆さんには、新たになった講堂の見学も兼ねて、是非とも今後予定されている行事に参加していただければと思いました。
2017年度 同学会副委員長 本郷 燎(D47)