2017年12月度那須農場復興支援労働報告
2017年最後の那須農場復興支援労働ボランティアを、12月16日~17日に行いました。
同学会13名、卒業生会6名、在校生父母2名、卒業生家族3名、一般2名 合計26名の参加となりました。
12月の作業内容は下記の通りです。
①食堂棟大掃除
②ホール小部屋整理
③牛舎正面扉製作
④新築牛舎コンクリート用枠製作
⑤仔牛検体採取
⑥牛舎作業補助
①食堂棟大掃除 食堂、ホールをワックスがけ
中村さん(46)と地元高校生/作業後
②ホール小部屋整理
長年手つかずだった小部屋を整理/翌日も朝5時から開始
④新築牛舎コンクリート用枠製作
コンクリートを流し込む枠を製作しました
⑤仔牛検体採取(牛のDNA鑑定のための検体採取)
牛を追いこんで採取します/中には逃げ回る牛もいて、追っかけっこが続きました
農場備品の長靴を洗うついでに、牛舎作業を終えた長靴も洗います/最後にローダーでゴミを片付けています。出発前の大事な仕事です
今月は2回目の参加となりました、委員長クラスの田中さんに感想をお願いしました。
那須の労働に参加して
47回生 田中 耕介
数年前から気になっていた、那須農場の労働支援への参加が叶いました。
我々47回生が同学会委員だったこともあり、夏のキャンプへの参加でおよそ30年ぶりに農場に足を踏み入れた事で、自分の中の那須農場がぐっと身近な存在となり、労働支援に11月は単独、12月は中一の息子と2人で参加させて頂きました。
〈参加メンバーの幅と、懐の深さに感謝!〉
女子部卒業生やその子供達の参加もあり、年齢層も幅広く自分にとっては新鮮な組み合わせのメンバーでの労働でした。
食後の時間は、在学当時顔を合わせていても話をすることが無かった方との話や、初対面で世代の違う方とそれぞれの時代の思い出話が語り合う楽しいものでした。
また、あまり詳しい説明もせず連れて行った息子が、皆さんとスグに打解けて2日間を過ごせたのには、昔から知っている家族のように接して下さった事に他ならない。
帰りのバスに乗る際受けた参加メンバーからの「次はお父さん来れなくても、また一人でくるか?」という質問に「うん!」と即答していたのには私もびっくり。彼にとっても良い経験だったのは間違いありません。
〈肝心の労働は!?〉
基本の牛舎床掃除の他、牛のブラッシングをしました。これが実は結構好きになった仕事でした。
牛への接近は未体験ゾーンで、最初は蹴られたりしないかとか考えて緊張しましたが、無心になってブラシ(金属の鬼おろしがねのような!)で、長さや固さに個体差のある体毛に張り付いた”ふん”を取っているうちに慣れて、むしろ牛たちの間に挟まって牛の温かさを感じたり、牛の肌からほんのりと香る乳の甘いような匂いが、何とも言えない心地よい感じとなりました。牛も気持ち良さそうにしていた気がします。
息子は雪のちらつく寒い早朝5時集合にも頑張って起きて、干し草、コーン他の餌やりや、牛舎の扉修理を手伝いました。扉修理は短い時間だった為片側しか完成しませんでしたが、工作好きな息子にはわかりやすく結果が目に見えたのは充実感たっぷり。
後日前田農場長にお会いした際に、「片側も無事完成しましたよ」との話を伺い、これもとても嬉しい報告でした。
〈農場と学園の関係〉
今の形の支援が始まった経緯や現状を聞いて思いますが、やはり在校生にも農場の仕事は経験してもらいたいと思います。お仕事体験アトラクションではなく、こういった実際の仕事を本気で任される機会はそうそう無い。
必ずしも農場である必要はないのかもしれないが、様々な“本物”を、学生の時に経験させる自由学園の教育に那須農場は欠かせない存在であると私は感じます。
創立者がどんなお考えで那須農場を始めたのかが、今回の労働を通して少しだけわかった気がします。
ネット検索ですぐに情報が手に入る現在、知識として色々な事を知っている人は多いけれども、“経験“には”知識“だけでは勝てない大きな差があると感じる。
人の考え方や人生そのものをより豊かにしてくれるのは、間違いなく多くの“経験”であり、そして一緒に生活/働く人々と築きあげる絆だと思います。
那須の労働は短い期間であれ、食・住を共にして過ごせる経験の場です。何らかの形で学生と農場との関わりが増すことを願います。自由学園OBとして学園や農場の方針を汲みながら、今後も可能な限り協力していきたい。
今回単発での参加を温かく迎えてくださった、農場や準備スタッフの皆さんに感謝しています。ありがとうございました。
そしてまた近いうちに伺いますので、その節はよろしくお願いいたします。
復興支援室より
通常の農場作業に加えて、年末の大掃除など加えた労働となりましたが無事に終えることが出来ました。
また、年末のお楽しみイベントであるクリスマスイベントも盛況でした。
那須農場も真冬の時期を迎え、新しい年に向かってまた動き出します。
年が明けるとすぐに春が来て、労働シーズンの到来です。
引き続き、支援室では支援労働への参加を募集しています。是非支援労働への参加をお待ちしております。
那須農場復興支援室 木立(D47)