女子部「卒業生訪問スピーチ」(2019.2.23第3回委員会追記)
5月の第1回委員会の際、女子部教師室の金井先生より70回生から90回生の卒業生で、女子部生徒を対象に、ご自身のお仕事についてお話いただける方を推薦いただきたいとのお願いがあった。年度末に際し、次のようなお言葉をいただいた。
「女子部では毎年、様々な卒業生からご職業についてのお話しを伺う機会を設けており、これまでにも多数の方にご協力いただいてきました。具体的には、現在のお仕事内容、なぜその職種を選ばれたのか、自由学園での学びが社会でどのように活きているかなどお話いただいています。社会の中でご活躍されている皆様のお話を伺うことは、生徒たちの生活や勉学の励みになり、毎回生徒たちも楽しみにしております。今年度は5月の委員会での呼びかけに3クラスが答えて下さり、12月の「卒業生訪問スピーチ」では73回生、81回生、84回生からご推薦いただいた3名の方に貴重なお話を伺うことが出来ました。心より感謝申し上げます。」(女子部教師室)
当日話を聞いたのは、中等科2年から高等科3年までの約200人。3名の卒業生が、25分ずつ話をして、その後に質疑応答の時間。生徒たちが書いた感想の中から抜粋して紹介します。
■中等科2年生
・今、この学校で学んでいることが、意外とちょっとしたことで役に立つんだ、と思いました。私も将来、自分の好きなことをしたいと思い、そのために今の生活をできるかぎり頑張ろうと思いました。
・女子部の生活の中で、委員や係など、どうしてこんなことをしなくてはならないのだろう、とか、どんな意味があるのだろうと思うことがあります。卒業生の方も同じことを経験され、その経験が今のお仕事や生活に生かされていることを知りました。まだ将来のこと、何がしたいとか目標はありませんが、今、やっていることは決して無駄ではないと思うと、頑張れそうな気がしてきました。この貴重なお話を聞くことによって、将来について、自分が進みたい道を歩くヒントや、力になった時間でした。
■高等科1年生
・子育てと仕事の両立について、話されていました。あまり考えたことのない課題でしたが、特に女性の立場が大きく変わってきている現代社会の中で、私たちの働く10年、20年、その先の時代にどう向き合って、その中で、どんなライフスタイルで生きていくのか。正直、分からないことが多かったので、今まさに、時短勤務や、育児休業などの制度を使ってお仕事をされている方のお話が聞けてよかったです。
・今回お話を伺って、主に社会で働く女性の状況や、様々な生活の在り方など、将来、自分たちには、どのような選択ができるのかをよく学べました。
・それぞれ、全く違うお仕事の話でしたが、どんな仕事でも、相手のことを考えられる心遣いがとても大切なんだと改めて気づかされました。
・「正解がないので、日々悩みながら」という姿勢がいきいきとしていました。結婚と子育てについて、「家族ごとの形がある」「自分がどうしたいかが大切」という言葉が印象に残りました。
・転職を7回もされていることに驚きました。インターネットが普及しはじめると、すぐに技術を身につけたり、社会の変容に敏感で、更に途中で立ち止まりつつ、ご自分の意思を確かめられている様子が伝わりました。とても身軽で、物事を柔軟に受け止められている姿を素敵だと思いました。
■高等科3年生
・ITOYAの紙専門フロアを立ち上げた時のお話が印象に残りました。そのときに、学園で身に着けたゼロから創り上げていく力が役立ったと聞いて、私たちは貴重な経験をしているのだと思いました。
・校閲の仕事は、考えていたのと聞くのでは少し違いました。それぞれの個性ある文章と、その人に合わせて校閲するのは簡単なことではないけれど、「表現の範囲」と捉えて著者の方の意図を汲み取るのはすごい、と考えさせられました。
・お話に「責任」という言葉が出てきました。自分から立候補したり、推薦されたりするタイプではなくても、様々な係に就けるのが学園のよいところ、という言葉には、自身の経験も重ねてとても共感できました。
・改めて、今の自分は本当に小さい世界にいるなと感じました。壁に当たった時、焦るのでなく、地道に物事を進めること、止まるのではなく、何かしらのアクションを起こすことが大事なのだと気づかされました。
このように、卒業生の姿を知ることにより、生徒それぞれが自分と照らし合わせて、必要なものを受け止めていることが分かる。女子部では、今後も卒業生訪問スピーチを継続していきたいとの希望で、来年度も7月と12月を予定。自薦でも他薦でも構わない。思い当たる方がいれば、いつでも女子部教師室へ連絡のこと。卒業生のひとつの大事な役割として、今後も協力していきたい。(委員長 64 秋田)