2019年 東北自由学園の会
2019年度の「東北自由学園の会」は、7月20〜21日の1泊2日の日程で開催されました。学園からは高橋和也学園長ご夫妻(D40・J61)と赤木事務長(J55)、三木前協力会会長(D18)、同学会から河合孝治委員長(D49)、卒業生会から津久井委員長(J65)と、同学会から11名、卒業生会から29名など、合計42名の参加がありました。
11時に仙台駅に集合し、市内のレストラン「パリンカ」へ。昼食をとりながら、高橋学園長から学園の近況、同学会からの報告などをおこないました。高橋学園長による共生・共学化についてのお話に、100周年に向けた大きな希望を感じました。
その後、石巻の十三浜へ向かう道中、児童74名が犠牲になった大川小学校や石巻市復興情報館、震災復興住宅などを訪れました。大川小学校では、約10メートルまで達した津波の跡や、粉砕された校舎の壁面、飴細工のように曲がった鉄筋を目の当たりにし、被害と犠牲の大きさを、8年を経た今もなお克明に感じ取ることができました。
17時半頃、追分温泉に到着。夕食では、三陸の魚介をふんだんに使った料理が供されました。夕食後は、十三浜での交流を現地で支えてくださる佐藤のり子さんの息子、高校2年生の寛哉くんが、震災当時の状況を語ってくれました。「形の上での復興は進んでいても、人間の復興がまだまだ。たくさんの人が亡くなったけれど、震災で自由学園の人々も含め色々な出会いがあるなどいいこともありました」との言葉が印象的でした。
2日目は、朝7時に礼拝のひと時をとり、9時出発。十三浜の大室漁港で佐藤さんの作業小屋や、漁師さんたちの貝の選別作業を見学。特別に獲れたてのホヤを味見させていただいた、幸運な方たちも。
11時半からは、相川地区コミュニティーセンターにて昼食を兼ねた交流会。震災当時、相川地区の自治会長だった鈴木学さん、佐藤清吾さんらのお話や、佐藤のり子さんはじめ十三浜の女性たちによる海鮮づくしのお昼には、学園をはじめ三団体への信頼の深さが表れていました。
前代未聞の災害に遭ったその年から、三団体を迎えてくださる浜の人々の懐の広さ。そして課題を持ちながらも、ひとつひとつ歩を重ねる被災地の勇気を感じながら、石巻を後にしました。
東京の自由学園と、そこから数百キロ離れた被災地十三浜の、震災がなければ繋がり得なかった隣人としての交わりの不思議と恵みを、実感した2日間でした。
同学会副委員長 山下謙介(D49)