協力会から(2019.9.14第二回委員会追記)
本日は委員会の貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございます。私は、現在、最高学部一年生の息子と女子部高等科一年生の娘の保護者として学園と関わっています。4年前に初等部保護者会委員長・昨年男子部保護者会委員長を務めたご縁で、協力会委員として活動しております。
私自身も初等部から自由学園で学びましたが、自分が生徒だった頃は協力会の名前は知っていても、どのような団体なのかよく理解していませんでした。保護者になって初めて、活動の目的や内容、そして在校生1人につき年間12万円以上のサポートをしていただいていたことを知りました。私は、初等部から14年間お世話になったので約170万円の支援をいただいたことになります。
自由学園協力会は、自由学園が理想とする教育を未来に繋げるために経営を支える活動をしています。創立者である羽仁吉一・もと子両先生が、教育のことのみならず、経済面でも大変苦労されていたことを知った保護者によって1931年・創立10周年の年に発足しました。今では在校生保護者だけではなく、卒業生保護者・卒業生・友の会・自由学園の教育理念・協力会の趣旨にご賛同くださった一般の方々も会員となってくださり、学園を支援してくださっています。現在の会長は女子部54回生の高橋育子さんです。90年近い協力会の歴史の中で初の女性会長としてご尽力くださっています。
既に協力会会員としてご支援くださっている卒業生も多くいらっしゃると存じておりますが、創立100周年に向けて、また次の100年も自由学園が「よりよい未来を創るために命の使い方を学ぶ学校」であり続けるために、より一層のご支援を賜りたいと思っております。今日は、具体的に3つのお願いをさせていただきます。
一つ目は、ずばり、寄付のお願いです。少子化の影響を受け、生徒数は一番多いときの6割ほどになりました。生徒数が減るということは、収入が減るということです。生徒数が減っても学びの機会が減ることがないように、経済面でのご支援をお願いします。協力会では、創立100周年に向けて「みんなで働いて生み出す寄付」をテーマに掲げ、イベントを企画・運営し収益を寄付する活動も行っています。11月17日(日)には「南沢バザー」を開催します。出店者として、またお客様としてご参加いただけたら嬉しいです。
二つ目は、現在の自由学園・現在の女子部を知ってくださいというお願いです。私が生徒だった30年前と違うところが沢山あります。違っていて淋しいと感じるところもありますが、違っていて良かったと感じるところの方が私は多いです。数年前の同窓会で、久しぶりに会った同級生が、「近所のママ友が、お嬢さんを女子部に進学させたいと相談してきたから、全力で止めたのよ。」と、言っていました。もし、娘が女子部に通っていなかったら、私も彼女の言葉に同意したと思います。
今の女子部は、私たちの時代よりも「その人らしさ」が尊重され、「やりたいことにチャレンジできる」場になってきていると感じています。私たちがどれだけお願いしても実現できなかったスポーツの対外試合も、今は普通に行われています。「学園Live」に参加するバンドは、男子部より女子部の方が多いくらいです。明日、9月15日(日)、女子部の文化祭「野の花祭」があります。男子部「葉月祭」も同日開催ですので、足を運んでいただき現在の自由学園の一端を感じていただければと思います。
三つ目は、お子さん・お孫さん・お知り合いの方を、是非、自由学園へ!というお願いです。学校が存続していくためには、やはり生徒がいなくては始まりません。
息子の小学校を選ぶ際に初等部学校説明会へ伺った時、当時の初等部部長の中村先生がおっしゃったことが忘れられません。先生は私と、同じく初等部から学園で学んだ夫に向かって静かに一言おっしゃいました。「母校の火を消してはいけないよ。」と。
私自身が初等部に入学した時、クラス48人中、家族や親せきに自由学園在校生や出身者がいない人は私も含めて3人しかいなかったときいています。ところが息子と娘の同級生は、自由学園に所縁のある人の方が圧倒的に少ないです。しかしながら、本当に学園の教育を信じて子どもを通わせている熱心な保護者が沢山います。自由学園は学校と家庭が協力して、一人の人を育てる学校です。そして今も、世の中に貢献できる人材が育っていると思っています。
母校・自由学園を支援してくださいますよう、心からお願い申し上げます。
(協力会委員:70回生 高木)