2019年度 卒業生大会の報告(2)
《礼拝》
・讃美歌294番1、2節
・聖書 箴言16章 1~9節
《「経験に育まれたもの」 65回生三次さん》
卒業後、社会人となりいつしか自由学園は遠い存在となっていました。15年前に子育てをしながら理学療法士の資格を取得し医療、福祉の世界へ入りました。
遠いはずの学園でしたが、いつの頃からか自分の考えの基礎は学園教育によって培われたのではないかと思うようになりました。
仕事ではそれが良いとわかっていても、その理想を目指して皆で協力して働くことは簡単なことではありません。しかし、そのような時は悩みながらも進む道を探し、やがて少しずつ協力を得て物事が変化していくことを経験することができました。
そしてある時、どうして私はその理想の実現を信じることができるのだろうと考えました。そして思い至ったのは私にはそれを信じられるだけの経験を学園の教育を通してしてきたからではないかということでした。
学園では一つの物事について皆で意見を出し合い、答えを出します。そして、その答えを尊重し協力しながら学園生活を自治する経験をさせて頂きました。
それは、一人ひとりが努力し皆で協力すれば必ずより良いかたちになるということを知る機会となり、その中でたとえ自分の力不足を実感しても大きな力を信じて祈りなさいと教えて下さったことが、私を支え強くしてくれたのだと思います。
学園において年齢に応じた責任を負いながら繰り返し経験したことは、今もどんな立場になってもよりよい社会や組織のために力を尽くしたいという想いを支えています。
まだまだ、志半ばで日々仕事に奮闘しております。しかし、今日あらためて自由学園の幹に連なる一人なのだと自覚することができました。皆様とここに集い新たに力を頂いて、また明日からの糧とさせて頂きたいと思います。(要約)
卒業生大会当日の写真は『卒業生大会の報告(1)』に掲載されています。