南沢会卒業生大会の報告(1/2)
初の南沢会卒業生大会に寄せて
「共有する」
2021年度委員長 中村(J70)・神藤(D50)
統合後初めての開催となる南沢会卒業生大会(以降卒業生大会)は、コロナ禍の影響を鑑み、初の試みとしてYouTube配信にて行いました。視聴期間を10月16日から31日まで設け、1575回、754人の方にご覧いただきました。大会の内容、アンケート結果などについては、来年1月発行の『南沢会報』第2号にてご報告いたします。
卒業生大会のプログラムは従来と同様、中村委員長(J70)の開会挨拶に続き、橋本副委員長(J70)による礼拝から始まりました。
節目のクラスの報告では、まずJ19回生のお便りが読み上げられました。今年で100歳になられるご本人、ご家族から寄せられたお便りです。卒業70年を迎えたJ29回生は、6名のお便りが紹介されました。
ビデオメッセージでは、末廣さん(J39)は卒業勉強で学園の歴史を題材にした絨毯をつくったこと、名古屋友の会での活動についてお話しくださいました。小野さん(J49)からは、共働学舎48年の歩みと現在の活動について写真も交えて紹介いただきました。岩﨑さん(J59)は人生で多くの挫折に見舞われながらも、その度に学園で培われた教えのもとで、新たな歩みを始めることができたと振り返られました。
前嶋さん(J69)は、クラスの人からアンケートで寄せられたコメントや写真をビデオレターの形で紹介し、多くの友との交わりを通じて学園で学んだことへの感謝を表しました。J79回生のお便りでは、卒業後およそ20年が経ってさまざまな場で活躍するなかで、学園での経験やそこで培ったものが活かされていると感じているとのこと。J89回生もお便りで、卒業して別々の道を歩んでいてもクラスメイトのお祝いごとなどに集まるなど、今でもクラスのつながりを大切にしていると紹介されました。
また卒業50年の節目として中林さん(D27)が、卒業してからこれまでの歩みをビデオメッセージで振り返りました。中林さんは現在、学園の理事を務めていることから、創立100周年に際して学園が取り組んでいる改革の方向性についても言及されました。
その後、学園の近況(高橋学園長D40)、100年史事業について(一〇〇年史編纂委員長・鈴木さんD31、事務局・村上さんJ67)、100周年募金について(100周年募金委員・小林さんJ65)各々ご紹介いただきました。最後に、南沢会員として最も若い世代である最高学部1年生・副委員長の梅崎さん(J101)と尾嶋さん(D81)からのメッセージ、最高学部1年生による讃美歌の混声合唱が披露され、神藤委員長(D50)の閉会挨拶で締め括られました。
卒業生大会といえば、澄み渡る空の下、金木犀の香り漂う南沢キャンパスを思い出される方も多いことでしょう。卒業から節目の年を迎えたクラスの方々をはじめとして、南沢に集うことを楽しみにされていた皆さまのお気持ちを思うと、一堂に会しての開催を断念するという決定は、やむを得ないこととはいえ、委員会としても大変心苦しいものでした。
今回、お一人でも多くの方が卒業生大会に参加していただける方法を模索した結果、YouTube配信を採用いたしました。過去の伝統を引き継いだ上で、今できることを検討し、創意工夫しながら実行する。まさに、南沢会が生きた団体であり続けることの大切さを体現できたのではと思います。南沢会のこれからの行事を催行するにあたり、対面とオンラインの併用は引き続き検討する価値があると感じました。
自由学園の「同志 同学 同行の友」は社会全体の中では数が少ないだけに、出会えた時の嬉しさはひとしおです。学園でわかち合った学びは、年代、場所、性別をこえた交わりの核になり得るのだと信じます。今回の卒業生大会では、同学会の方にスピーチをいただいたことをはじめ、多くの方に視聴いただけたことも、南沢会の大きな前進です。また、卒業生会が大事に受け継いできた卒業生大会を、多くの同学会会員と共有できたことも南沢会としての収穫でした。
人生においては健やかで順風満帆な時ばかりではなく、体調や仕事、生活環境に恵まれない時もあります。コロナ渦の影響で大きく生活が変わった方もいらっしゃることでしょう。このような時にこそ、お一人お一人がそれぞれの場で「地の塩、世の光」として清らかに、凛と生きておられる様子を拝見できたことは、喜びであると同時に、身の引き締まる思いでした。
最後に、皆で集えなかった今、学園の風景を思い出し、深く息を吐き、そして目を閉じ、学園の息吹を身体いっぱいに感じてください。皆さまのご無事を心より祈りつつ、集える日を心待ちにしております。引き続き自由学園そして南沢会にお心を寄せていただけるよう、委員一同尽力いたします。