【委員長】自由学園東北の会 開催
【委員長報告】自由学園東北の会 開催
秋晴れの10月29日(土)、30日(日)、3年ぶりの自由学園東北の会が開かれ、他県からの参加者も含め24名が山形県東置賜郡に集いました。
赤湯駅で集合した後、何台かの車に分乗して向かったのは、島津さん(J55)がお住まいの二井宿地区。地域の活動をご一緒されている「二井宿わくわくプロジェクト」代表の神保一雄さんに、魅力ある地域づくりを目指す活動の内容についてお話しいただいた後、山菜や山の幸たっぷりのおかずと打ちたてのおそばをいただきました。
周辺の散策ではこの地域の歴史などもお伺いでき、色づき始めた山の美しさを堪能しつつ、歴史に思いを馳せるひとときとなりました。
その後立ち寄った瓜割石庭公園は、大谷石と同じ軽石質凝灰岩である「高畠石」を切り出した跡地で、切り立った岩山にぽっかりと開いた広場では校歌を歌って、岩壁に響く歌声を楽しみました。
近くの安久津八幡神社に参拝した後、道の駅で地元農産物や特産物を見たり買い物したりしました。中には片道徒歩20分ほどある奥の院まで参詣した方もあり、「思ったより“登山”で大変だった!」との感想が聞かれました。
宿泊は「むつみ荘」。温泉のある気持ちの良いお宿です。その夕食の席が「東北の会」ということで、目にも楽しくおいしいお食事をいただきながら、高橋学園長(D40)からの学園近況報告、南沢会委員長からの活動報告を聞いていただき、皆さんの近況も聞き合いました。
震災後の支援活動をご縁に参加されている方、新潟に引っ越したのでとご夫婦で参加された方もおられました。北海道からご参加で、盛岡の生活学校で教えておられた林さん(D14)のお連れ合いは生活学校のご出身。
自由学園を知って入学したいと思ったときには年齢的に入学資格がなく、その後生活学校に入れた嬉しさ、そこから林さんとの出会いをはじめ、自由学園との関わりが深まっていったことの喜びを語ってくださいました。
夜に何人かがお部屋に集まり、遅くまで学園での思い出や今の学園、南沢会への思いを語り合いました。南沢大会のウェブサイトもご一緒に見て、大会の様子を感じていただきました。
翌日朝は、高橋学園長の司会で礼拝の時を持ちました。学園長が最高学部卒業後に他大学で研究されていた折、ミスタ羽仁が若い頃に書かれた文章を探し出し、まとめて当時の羽仁翹学園長にお見せしたところ「これは良い」と『我が愛する生活』の一冊にまとめ、出版されたとのこと。
その中から「品性」について、最近の男子部高等科2年生の読書感想も交えながらお話ししてくださり、初めて聞くお話も多くて、皆さん頷きながら聞き入っていました。
そのあとは、お菓子屋さんに寄ってから、高畠町出身の童話作家、『泣いた赤鬼』で知られる浜田広介の記念館を見学しました。「この展示の中に、羽仁もと子の名前が1回出てきます。どこでしょう?」との幹事の問いかけに、いち早く発見したのは学園長。
ミセス羽仁は、浜田広介が賞を取った時の選者として評論を書いておられました。また、『子供の友』に挿絵を描いていた武井武雄の絵も展示されていて、ご縁を感じました。
昼食はレストラン「西洋葡萄」で、山形牛のハンバーグをメインとした素敵な昼食をいただきました。その場で林さんがミスタ羽仁との思い出を話してくださり、委員長でいらした時に寮長だった長谷部さん(D14)が、たびたび故障する女子寮のお風呂の修理にいつも駆り出され、とうとうミスタ羽仁に、「業者を呼んで直してください!」と言ったらミスタ羽仁が謝られて、ちゃんと業者に直させた、という、今はその話を知る人は林さんしかいないエピソードをお話しくださいました。
その後、高畠ワイナリーを見学して解散となりました。
丸1日以上を一緒に過ごすことで、多くの方といろいろなお話をしたり、南沢会についてご説明する機会を得て、素晴らしい時間でした。
2019年からこの旅程を計画されていた幹事の方々4人は、コロナ禍で延期を余儀なくされる中、丁寧なご準備をなさり、盛りだくさんの予定を無理なく回れるように進めてくださいました。幹事の方々、車の運転をしてくださった方々をはじめ、私ども委員長をあたたかく迎え、親しく共に過ごしてくださった皆さまに心より感謝申し上げます。(栗田)