我がこまやかな生活2(学部発のベンチャー企業)
(株)きみとなり Chef Marketing Officer 粕谷亮
現在(株)きみとなりで活動させていただいている最高学部四年課程二年の粕谷亮です。
・仕事の立ち回り
私は、(株)きみとなりの経営部分で、開発された商品をユーザーとなる皆様に提供するマーケティングの役割を担っています。具体的にはマーケティングの戦略を練り、自由学園の生徒が発案した商品に、売れる仕組みを加え社会へ流通、販売の決定権を担う仕事です。
・弊社で活動する動機
私は自由学園高等科の政治経済・倫理の授業から、私が三歳から育った自由学園という学校で現代社会に対し、より良い社会の実現を早いうちから実現したいという思いを持ちました。中等科の頃から社会学、経済学、経営学、心理学、哲学、教育学などを通じて人と人、または人とモノ・サービスなどを繋げることに興味を持ちました。
最高学部に進学し、一年生の冬からインターンシップ活動を通じて人が社会へ働きかけるべく、すでに最高学部3・4年生の学生が手がけた商品の流通に携わらせていただきました。二年生の選択理由科目である「マーケティング」の講義では基礎的な理論や商品の流通手法を学んでいます。
こうした、自由学園で得られた学びを活かし、理論をより実践へ活用したいと感じたのが、私が株式会社きみとなりでCMOとして活動している動機です。
顧客とモノ・サービス、あるいは人を繋ぐことは、良きストーリーを双方に伝えることが重要だと考えています。私たちの会社で手がける商品やサービスは、その流通過程で関わるすべての人の幸福を第一に考え、伝える顧客がどのように感じ、どのように行動をしたいと思えるのかを重視して商品開発を行っています。
しかし、商品開発を進める上で、商品を作り上げることは容易ではありません。まず、商品はその時の経済事情や情勢の影響で必ず変動します。こちらが最高のストーリーができたと思っても、実際に顧客には全く違う意図で認識されていることもあります。
そこで活かされる重要な視点として私は、自由学園でこれまで学んだ「本物に触れる力」が活かされると考えています。私が生活団から受けた教育として、自由学園では、感性教育の一環として、机上の理論や知識だけの学びのほかに、実際にその体験をすることで培える学びも重視されています。つまり、学問の領域を超越した、形而上学的なその学科の生命を捉えられる教育方針が、今の私のあり方に生きていると強く感じています。
頭だけでストーリーを考えてしまっても、それを自分の手から離れた市場へ流通させ、成功するとは限りません。本当に成功させたいのであれば、自分がこれまで経験した記憶を呼び起こし、霊性を惹起することが重要だと考えています。主体と客体に跨がる無数の記憶から人とモノを作る可能性を蒐集することに、市場を繋ぐ無限の可能性があると思います。
これらの可能性を最大限意識し、今後も商品の支援や実際に購入してくださったお客様に最大限の幸せを届けられるよう活動させていただきます。今後とも応援をよろしくお願いいたします。