2024年度九州南沢会開催のご報告

 2024年9月15日に熊本県熊本市内にて、九州南沢会が開催されました。
 九州エリア在住の南沢会員の他、更科幸一学園長ご夫妻、塙 健司100周年記念募金委員長、自由学園広報室の松元彩那さん、協力会より小林克彦副会長、南沢会両委員長が参加。

 この他、在校経験者や生活学校の卒業生と会員のご家族と、お子様6名も含めて49名が集まり、遠く沖縄からご夫婦で参加された会員もいらっしゃいました。九州には約80名の生活学校の卒業生が在住されているとのことで、参加者に配られた欠席者のメッセージにはそのうち20名からメッセージをお寄せいただきました。

 会にはお子様を連れて参加した会員も多く、幹事で司会のJ72猪口淳子さんの「家庭的な雰囲気で進めたい」というお話の通り、和やかな雰囲気で会がスタートしました。 会の始めは、昼食をいただきながら参加者一人一人の近況を伺いました。九州には縁がなかったけれど、引っ越してきたらお向かいに卒業生が住んでいて驚いた、といったお話や、お仕事のご様子、娘より年下の若者と一緒に学校で学んでいるなど、様々な分野で活躍されているご様子を楽しく伺いました。

 今回は熊本県での開催ということで、水俣市の「水俣センター相思社」に勤めるJ90回生小泉初恵さんより、「水俣を通してつながる~過去と未来、地域と世界、人と人」をテーマに講演をしていただきました。水俣病の原因や被害者を取り巻く環境、まだまだ終わらない問題、地域経済の基盤づくりと環境の関連性などを学ぶ機会となり、豊かな社会とは、持続可能な社会とは、といった大きな課題を一人一人が考える機会となりました。講演終了後は、参加者との質疑応答やディスカッションも行い、答えの出ない課題にしっかりと向き合い、自分の言葉で伝える力を持つ後輩をとても頼もしく感じました。

 *J90小泉初恵さんを紹介した記事「自由学園100人の卒業生+」はこちら

 小泉さんの講演の後は、更科先生より学園の近況についてご報告をしていただきました。 小泉さんのお話を受けて「語り継ぐことの大切さ」という考えから、現在の学園生たちの活動や、共生共学化1年目の様子をご報告いただきました。お話の最後に、「対話を重ねて良い社会を創る」という言葉がありました。南沢会を運営するにあたってさまざまなことと向き合う日々を振り返り、改めて対話の大切さを感じました。先生からは学園で咲いているお花をお持ちいただき、南沢から遠く離れた九州の地で、学園の香りをかぐことが出来ました。

 塙委員長からは100周年の募金の呼びかけとともに、近況のご報告では幼児生活団時代の同級生と開催した同窓会についてもお話しいただきました。幼児生活団卒団後は初等部や普通科に進学されなかった方の割合が多かったととのことで、ご自身のルーツに自由学園があるということ大切にされている仲間が20人近く集まったというお話に、みな驚いていました。

  協力会の小林副会長には、今年度初めて地方の会にご参加いただきました。南沢会や協力会だけでなく、友の会など、学園関連団体は参加者の減少といった共通の課題があることをお話いただきました。今回は、九州南沢会の皆さんが、様々な形で自由学園に関わる方々とつながりを持つために尽力され、卒業生、在学経験者、生活学校の卒業生、そのご家族など、「オール自由学園」とも呼べるメンバーが集まりました。こうした機会の一つ一つが、自由学園に関わる方々をつなげる貴重な場となることを改めて感じた集まりでした。

自由学園南沢会
2024年度 委員長 梶浦 泰子(J73)
十文字 太郎(D53)

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