新著『女三代の「遺言」』で自分のルーツを再認識
女子部56回生 武田 尚子(1957年、神奈川県生まれ)
卒業後は編集や取材記者の仕事を経て、1988年に30歳でフリーランスライターとして独立。ファッションの中でも専門分野を中心に、長年、国内外の取材を続け、新聞や雑誌などの紙媒体の時代から近年はWEB媒体へ、またセミナー講師の仕事などをしています。下着デザイナー・鴨居羊子の評伝をはじめ、いくつか本の著作もありますが、前作『もう一つの衣服――家で着るアパレル史』(みすず書房)に続き、最新作として『女三代の「遺言」――あるファミリーにつらなる物語』(水声社)を上梓しました。
これは生あるうちにぜひ書き遺さなければならないと進めていた、いわばファミリーヒストリーですが、単なる史実ではなく、私自身の視点を通したドキュメンタリー・エッセイとなっています。私が自由学園普通科に入学したきっかけは祖母によるもので、祖母は『婦人之友』読者で、戦前に熊本友の会がスタートした時の会員でもありました。その祖母からの聞き書きで、高等科1年の時の山室光子先生の授業でまとめた「我家の百年の歴史」が今回の本のベースにあります。まさに半世紀の時間を経て、リアルなものとしてよみがえったというわけです。
熊本の歴史をはじめ、いろいろな歴史的人物、事象も盛り込まれていますので、一つの物語としてお読みいただけますと幸いです。
来年2025年は昭和100年、第二次世界大戦が終了して80年の節目の年です。
先が見えないこの混迷の時代に、歴史が投げかけてくれるものは決して小さくないと思います。
ご興味のある方は、お近くの書店経由、または水声社に直接ご注文ください。